「姉さん自分めちゃくちゃ感動しました!」
大樹が目を潤ませてそんな事言うけど、とりあえず無視してネコとなっちゃんといつものランチタイムを楽しんだ。
「ゆき乃先輩。今日はアフターしましょ!そんな男よりいい男揃えておくので!」
別れ際、ネコがそう言うから二つ返事で手を振る。
それからは仕事をしながらネコの言ういい男が楽しみで物凄い浮ついていたに違いない。
とても数時間前にフラれた女とは思えない程に。
◆
広報部瀬口黎弥と付き合っているネコはそのツテでかなり顔面偏差値の高いイケメンを揃えてくれた。
これだけ揃っていたら一杯ぐらい飲んでも大丈夫だよね?
…アルコールアレルギーを偽って酒を飲まないのは、酒にめちゃくちゃ弱いのと、飲むと決まって理性が無くなる。
だから飲みの席ではよく大樹を傍に置いて監視して貰っていた。
でも今日は生憎大樹にはお呼びがかからなかったのか、それとも仕事が終わらなかったのか、はたまた抜け出せない予定があったのか、この場にはいない。
イケメン枠に入らなかったのか?なんて失礼極まりない事を言ったところで大樹が私に対して怒りを向けることはまずない。
「なっちゃん、記憶がなくなったら私の事介抱してね?」
ビールジョッキに手をかける私を見て、隣のなっちゃんが目を真ん丸に見開いたんだ。
「え、ゆき乃さんアレルギー平気なの?」
「分かんない。でも今日は飲みたいの!」
ポスッとなっちゃんの腕が私の頭を撫でる。これはOKってことかな?
大樹がいない分、今日はなっちゃんに頼ろうなんて思っていたのがダメだったのかもしれない。
「あれ?そういやかみけんじゃない?アレ!」
「そー。黎弥くんと同期だって、あの二人…」
クスッてなっちゃんが笑ったのは、到着したネコがかみけんを見て仰け反りそうなぐらい吃驚していたから。
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