朝一で社内Cafeに行くといつもの後ろ姿があってまたホッとする。
「なっちゃんおはよ!」
振り返ったなっちゃんはいつものほんのり笑顔で「はよ。」そう言って私の腕を引っ張って隣に座らせる。
ネコは、やっぱり来てないよね。
今日は会社も休むかもしれないね。
「連絡できなくてごめん。ネコ大丈夫だった?」
私の質問にコクっと頷くとなっちゃんは肩に手を乗せて真剣な顔で言うんだ。
「健太さんとキスしてないよね?」
まるで確認するかのように。
ジッと目を合わせてそんな質問。
もしここで本当にかみけんとキスしちゃってたらなっちゃんはどうするんだろう?
私の事軽蔑する?罵る?それとも、少しは妬いてくれるんだろうか?
ほんの沈黙の後、私は首を横に振って「してない。」そう答えるとなっちゃんが肩をポンと叩いて離れていく。
ブラック珈琲をズズっと飲んで「だよね。」そう笑った。
「樹とかみけんと3人であの店に行ったて、問い詰めたのよ、かみけんに。ネコのことどーするつもり?って。…そしたらアイツ、ネコちゃんは確かに可愛いし好きだけど、みんなと同じです。みんな好きなんですけど。…なんて言うの、さも面倒そうに。」
想像できるんだろうなっちゃんは眉間に皺を寄せて黙っている。
大事なネコのこと、そんな風に言われて私もなっちゃんも腹が立つのは当然で。
なんならあの時の怒りすらふつふつとわいてきそうだ。
ホットミルクを一口飲んだ私は組んでいた足を外して座り直す。
「なんか悔しくて。ネコはあんなにかみけんが好きなのにその程度しか思ってないの?って。だからつい聞いちゃって、かみけんに。」
言い出す私の続く言葉を待つように視線を向けた。
「私は?って。もし私が今夜相手してって言ったらどうするの?って。そもそもアイツ、私の事女としてなんて見てないし。樹とご飯行こう!って話してた時に、俺も連れてってって。今日は女と飲む気分じゃないって言ったのよ。だから聞いてやったの。ましてや後輩の女にも誘われたら手出すのか?って。そしたら、その、」
キスされそうになった…
超小声で言うとなっちゃんがボソッと言った。
「根に持ってんだ?」
かみけんにされた酷い仕打ちをちょっとだけ笑うんだ。
「そこは突っ込まなくていい!」
「だってすげー顔してたゆき乃さん!」
ぷッて笑うなっちゃんの肩を叩いたんだ。
「だからネコが思うような事は何もなかったのよ。」
「うん。大丈夫だろネコは。黎弥くんが傍で守ってるし。自然と腕枕して寝てる2人を見て…俺も…」
口篭るなっちゃんにトクンと胸が脈打った。.