【side 夏喜】
「たく、何してんだよ。」
お昼休み、Cafeの前でうろついてるネコを発見して声をかけると泣きそうな顔で近寄って来た。
そのままネコの肩に腕を組んでいつもの席に連れて行く。
ゆき乃さんはもう今日から樹と昼飯だからここには来ない。
自分でそうしろ、と言ったくせに俺は後悔している。
今頃樹と手でも繋いでどっか外の店に行ってると思うと、我ながらやるせなかった。
「なっちゃん、ゆき乃先輩は?」
「樹とだろ。安心しろ、俺と2人だから。」
ネコの髪を撫でると借りてきた猫並に大人しくなった。
とりあえずゆき乃さんには言ったしネコにも話さねぇと!って思ってる。俺の気持ち。
お弁当を広げるネコをポンと撫でて立ち上がると唐揚げ定食を取りに行って戻ってくる。
ちゃんと俺が来るのを待ってたネコに座って直ぐに言ったんだ。
「ゆき乃さんに告った。」
キョトンと俺を見つめたネコは、数秒後にニヤリと口端を緩めたんだ。
やっぱり!って顔するあたり、ネコはやっぱり俺の気持ちに気づいていたんだろうなーって。
ここがカウンター席だったら確実に俺の肩に肘をかけて耳元で色々詮索されるんだろうと思うけど、あいにくここは対面式のテーブルだからネコが身を乗り出して足をバタつかせている。
「だからって樹と別れちゃくれねぇだろうけど。ちきしょー。」
ムスッて口を尖らせて唐揚げを頬張ると、ネコが「なっちゃん可愛い!」ツンツン頬を突くから「やめろ!」手を払い除けた。
「そんで、そんで、どーするの?ゆき乃先輩を、あの藤原樹から奪い取るの?」
まるで少女漫画でも読んでるみたいに頬を染めるネコに苦笑い。
だけどネコに言われてそうだよな…なんて納得する。
唐揚げだった視線をネコに向けると決意表明かのよう、告げたんだ。
「必ず俺のもんにする。樹には悪いけど。」
キャー!!!ってネコの馬鹿みてぇな歓声があがったんだ。
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