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「おはようございます…。」
いつもと同じ朝、いつもと同じ会社のフロア、だけど違うのは私の心の中で。
「一条さん、昨日はどうも。」
新人なっちゃんは勤務開始よりも30分前には来ている所とか偉いなぁー真面目だなぁーって。
至って普通に挨拶を交わして給湯室へ逃げるように行った。ゆき乃さんと八木くん以外は知らないであろう私と夏輝くんの関係。ゆき乃さんが来る前に大好きなミルクティーをいれてあげようってアッサムを缶から出していると「一条さん、服昨日と同じじゃない?」…ぎく。
振り返ると明るい髪色の翔太くんが怪訝な顔で私を見ている。
実は、朝も一発ヤッてしまったせいで、家に帰る時間がなくなってしまって…。ジャケットを脱いで会社に置いてあるカーデを羽織ろうって思ってたけどついいつもの癖で先にこっちきちゃったよ。
「翔太くん、おはよう。気のせいじゃない?」
「夏輝くんでしょ、一条さん。翔太くん野暮な事聞かないでよ、相変わらず天然なんだから。」
「あ、そっか!夏輝くん絶対このチャンス逃さねぇ!って燃えてたもんね。」
え、チャンス?逃さない?なんの話し?思わず翔太くんを見るもニッコリ微笑んで「青春いいねえ!」なんて言われるだけ。だからチラッと後ろのなっちゃんを見ると「…夏輝くん、一条さんのこと狙ってただけです。だから昨日も呼んだんです!」…特段冷やかすこともなくそう言われた。
「そうなんだ、」
「やっぱり夏輝節は一夜で十分なんすね。さすがだ。圧倒的だなぁ、夏輝くん。」
俺も見習お…なんて続けたなっちゃんは、私の頭をポスっとして「ゆき乃さんの幸せも大事だけど、一条さんも幸せ掴んでいいんじゃない?」…うん、そうだよね。
「ありがと、なっちゃん。」
つい綻ぶと、ニヤリと笑って「胸元、そんな開けない方がいいっすよ。」スッと目を逸らされた。
「えっ!?」
慌ててトイレに駆け込むと、そこには昨夜なのか今朝なのか、さほど目立つものではないにしろ、小さな痣が2つついている。
うわぁ、キスマークなんてつけられたの初めてだ!!こここれはゆき乃さんにバレんようにしなきゃ…―――「あ、ユヅキ!」個室の中からタイミングよく現れたゆき乃さんに慌ててボタンを1つしめた。
でも時すでに遅し、ゆき乃さんに後ろから羽交い締めにされてボタンを外される。