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コロナの感染拡大を防ぐためにみんな自粛していて、だから事務所のタレント達も悔しくも自分の時間を満喫していた。

今日は壱馬の部屋でまこっちゃんやら北ちゃんやら、適当に集めたメンバーがみんなで飲んでいて。

やりとできあがってきているみんなが眠そうな顔をしている中、ピンポーン…遅れて樹が登場した。


「あれ?遅かった?」


爽やかな香りと視線に思わずドキっとする。


「あーうん。でもほら私まだ飲み足りなくて!だから飲も?ね?」


樹の腕を引いて壱馬の部屋にあげた。

雑魚寝状態のみんなを見て苦笑いの樹は着ていたジャケットをスマートに脱いだ。

だいぶ暖かくなってきたせいか、ジャケットの下はピチピチな白Tシャツ。

樹の鍛えられた胸筋が目に入ってまた心音があがる。



「最近壱馬とどうなんすか?」


樹の方からそんな事言われると思わなくて。

思わずキョトンとした私の前、強烈な色気を樹から感じるなんて。


「…うーん。順調だよ、たぶん。」

「なに、たぶんって。」

「うーん。別に不満はないんだけど、」


言葉を濁した私に、赤ワインをグラスでグビっと飲み干した樹はペロリと唇を舐めて、テーブルの上、投げ出した私の手をそっと握る。

えっ!?

顔をあげた私を真っ直ぐに見つめている樹。

あまりにその顔が綺麗で息をすることすら忘れそうになる。


「マンネリ化してんの?壱馬との、」


そこで言葉を止めた樹。

もしかして壱馬も同じようなこと思ってた?

それを樹に相談した?

いや、そんなはずないか。


「ユヅキさん…俺と浮気しない?」

「えっ?」

「そのマンネリ解消してあげるよ?」

「樹…」

「ほら、ドキドキしてる。手握ってるだけなのに。」

「…ズルい。」


シラフじゃない女の前でそんな誘惑、勝てる奴がいるなら教えて欲しい。

気づいたら近寄る樹に合わせてそっと目を閉じたんだ。