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そんな時だったんだ。

THE RAMPAGEの2人を忘れるくらい私の心を奪う出来事があったのは。

その日はBALLISTIK BOYSのボーカル4人とTHE RAMPAGEのボーカル3人。それからFANTASTICSのボーカル2人のボーカルレッスンの日だった。

普段はほとんどないけれど、このコロナでライブも中止になり、歌が歌いたい!ってみんなが思ってのこのレッスンを受ける事となった。

一人づつ好きな歌を歌っていく事になって、「じゃあ次は未来の番!」日高くんからバトンも貰った未来は、三代目の「次の時代へ」を選択。

この事務所に来て初めてちょっといいと思った隆二くん達が歌うこの歌。

ATSUSHIさんが書き下ろしてくれた、ある意味継承の歌。

彼ら若手が歌い続けて欲しいと思う歌。

ただ感情を乗せて、ただ前だけを向いて、ただ大きな背中を追いかける未来が、凄く魅力的に映ったんだ。

トクン、トクン、と脈打つ鼓動。

未来の息継ぎから何もかもが私の身体を突き抜けていくようだった。

今まで聴いた歴代のどの人より、私の心に響いたんだ。

知らぬ間に流れてきた涙を何度も拭う。

一番後ろで壁に背をつけて泣く私を、まさか未来が見ていたなんて。


レッスン室から出てトイレで顔を洗う。

なんだろうか、この高揚感。鏡に映った自分の頬は紅く紅潮していて。

さっきの未来を思い浮かべるだけでドクドクと心音が高鳴る。


「まさか、恋じゃないよね?」


小さな独り言は消えてゆくものの、レッスン終わりの彼らが出てくると、またトクンと胸が脈打つ。


「お疲れしたー!」


続々と出てくるボーカル組。

だけどいつまで待っても未来は出てこなくて。


「ユヅキさん、帰らへんの?」


壱馬に言われるけど、帰る気になれなくて。


「ちょっと仕事残ってるから先に帰って!」


去り行く壱馬への罪悪感なのか、心拍数があがっていくのを感じた。