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「莉子、俺来週から仕事でロス行くことになって。悪いな、お土産買ってくるから。」
朝ご飯の支度をしていた私の前、スーツのネクタイを締めながら直人がそう言った。
「ロス?」
「うん。商談うまくいけば海外進出も夢じゃない!」
ニカッて八重歯を見せて笑う直人は仕事が大好きでそういう話をしている直人は決まってキラキラしている。いつでも前向きで、ネガティブ思考な私とは正反対。アパレルの仕事が生き甲斐だっていって、毎日頑張ってるからなぁ。海外進出は直人の夢だし…
「頑張ってね!応援してる。」
「ありがとう。それから、」
「ん?」
「この仕事がうまくいったら、ちゃんと考えるから、俺達の将来も。莉子も子供産むならなるべく早い方がいいし。」
「…―――え?」
「結婚だよ、俺達の!結婚、する気あるよね?俺と。」
「あるけど…。」
「よかった。最近お前ちょっと元気なかったからまた勝手に変な事考えて落ち込んでるのかな?ってちょっと思ってたけど。」
ポンポンって私の頭を優しく撫でる直人の手。ちゃんと見ててくれていたんだ、直人。ちょっと泣きそう。
「直人…嬉しい。」
ふわって直人の香りと温もりに包まれた。どうにもこうにも安心できる温もりにそっと目を閉じる。ポンポンってまるで子供をあやすみたいに背中を優しく叩く直人の肩に顔を埋めると優しく髪を撫でてくれた。
「俺が帰るまで浮気禁止!」
「…帰ってきたら浮気していいの?」
「ちゃうちゃう!」
「しないよ香澄や汐莉じゃあるまいし。」
「するんかい、あの子ら!?」
「イメージね、勝手な。」
「はは、でも、寂しくさせるからそこ強く言えねぇけど。帰ってきたら抱かせてねぇ。」
「いつでも大歓迎だよー。」
顔を覗き込んで小さなキスが落ちた。直人、直人、ごめんね。