壱馬の後ろに隠れてるわたしを見てムスっとしながらスっと腕を伸ばしてわたしの手首を掴んだ。
「ちょ、」
「なんかムカつく。壱馬の後ろになんか隠れてないでこっちおいで。」
自分の隣に座らせる北人は、わたしの首についた髪を細くて綺麗な指でそっと退かした。
「首、綺麗だなぁ。」
「...北ちゃん、」
「んー?」
「...恥ずかしい、」
「え、なんで?ダメ?」
首を傾げてジッと大きな目でわたしを真っ直ぐに見つめる。北人ってこんな人、だったの?モテる男は何考えてるのか分からない。
「ダメ。」
そっぽを向いてお弁当を広げると耳元で小さく囁いたんだ。
「今日もラーメン食べに行こうね、帰り。」
...イエスもノーもない。でもきっとわたしは、壱馬の言う通り、慎への気持ちが間違いで、北人への気持ちに揺れ動いているのかもしれない。
自分で自分の気持ちを認めたら、前に進める?