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壁に背をつけてイヤホンを聴いている北人の腕をツンっとつつく。耳からイヤホンを外してニッコリ微笑む。
「お帰り、HONEY!」
ちゅ、ってエアーキスをする北人に、苦笑い。でもそーやって変な空気を作らないでいてくれてありがたい。
「ラーメン行こ。奢ってあげる。」
手を繋ぐ事もなくまたさり気なくわたしを歩道に寄せて歩き出す北人の隣を歩く事がなんだか自然に思えたなんて。
「海青は大丈夫だよ。あいつ筋肉馬鹿だし。」
まるで海青がフラれたこと、見てたみたいな言い方する北人が可笑しくて「うん。」って小さく言う。
「莉子は翔吾がいるし、ゆき乃には俺がいる。」
「...莉子はきっと翔ちゃんよりも慎を選ぶ気がするよ。」
「そう、なの?」
「なんだかんだで仲良いからあの二人。」
キュって今になって北人がわたしの手を包み込んだ。思わず北人を見つめると真っ直ぐにこっちを見ていて。その大きな瞳にドキっとする。
「...いいの?」
「いいもなにも、慎が好きなのは最初からずっと莉子だったから。わたしの入る隙なんて1ミリもなかったし。分かってたし、...北ちゃんいるし。だからいい。」
スっと俯いて早歩きするわたしを北人の腕が止める。