「ところで北人のどこがいいの?」
ラーメンを運んでくれた健太さんにマジマジと見られる。北人程でもないけど、大きな目で。
どこ?どこって、どこ?
「え、場所?」
「違うって、どんなとこ?」
あ、そーいうことか。恥ずかしくて俯くわたしに北人の手がスっと伸びてきた。顔を上げると親指、人差し指、中指を立てていて。
バスケでスリーポイントを打つ選手に審判がする合図。キョトンと見つめるわたしに北人は箸を置いてにっこり。それからわたしの頭を抱えるように前のめりになると小さくちゅ、ってキスを落とす。
「え、北ちゃん!」
真っ赤になって口元を抑えるとまた三本指を出した。
「なに、それ。」
「さて問題です。1、ゆき乃が可愛くてつい。2、健太さんに見せつけてやろーぜ。3、大好きだよ。」
...この間のキスの後も聞かれたこの問い。魔が差した...って答えは間違いで、答えは3番の予防線だったんだって、今なら分かる。
じゃあ今のも...「3番?」チラリと北人を見ると嬉しそうな満面の笑み。
「ファイナルアンサー?」
「ファイナルアンサー!」
「正解!でも本当はどれも正解!この前の答えもバレた?」
「...だって。本当にそうなったもん。」
「こんなに早く手に入るとは思ってなかったけど、ゆき乃が純粋でよかった。壱馬になんか言われた?」
鋭いなぁ。それだけわたしのこと見てくれている...そう思ってもいいよね?
「ん。好きになる人間違えたかも?って言ったら、そう思ってる時点で北ちゃんが一番やろって。」
「ナイスアシストだな、壱馬。」
チャーシューをパクつく北人に、黙ってわたし達の会話を聞いていた健太さんがパコンと軽く殴った。
「餃子、ゆき乃ちゃんにしか出してやらんぞ。」
「いいっすよ。それでもキスするから。」
呆れ顔の健太さんはちゃんと北人にも餃子を出してくれた。これで安心してキスできるね!って言った北人は、やっぱりフライング気味にまたキスをくれた。沢山、沢山。