episode 04


「まぁ考えてないこともないけど。けどサッカー部があれやるじゃん、なんだっけ?あ、PK対決!翔吾が俄然気合い入ってた。莉子に見てもらうって、」

「…莉子は陸先輩しか見えてないだろうけどねぇ。翔ちゃんまさか陸先輩と対決でもするのかな?」

「するみたいだよ。」


わたし達はみんな揃って同じクラスだから、色々な情報も入ってくる。生徒会長の壱馬も含めた5人でつるむことが多くて、同じクラスの翔ちゃんは2年になってからずっと莉子を一途に想っている。専ら自分のことには鈍感な莉子は欠片も気づいてなさそうだけど。


「すごーい!それでも陸先輩が勝ったら莉子が喜ぶだけ、だよね?」

「まぁ、そうだろなー。けど俺的には翔吾に勝ってもらいたいなー。莉子は、陸先輩だけな感じ?」

「うん。今んとこ。でもさ、陸先輩と莉子ほとんど喋ったことないじゃん?そーいう人からもしも北ちゃんが告白されたら、どーするかな?」


お昼休みに聞いた莉子の覚悟を思い出してそんな質問。わたしならどーするんだろう?想像もつかない。


「俺は断る。好きな女がいるから!って。」


チラリと視線を感じて北人を見るとほんのり笑顔を浮かべていて。車がわたし達の横を通り過ぎて行くからか、立ち止まってわたしを壁に押し込んだ。

なんか、守られてるみたいでちょっと嬉しい。


「好きな女なんているの?北ちゃんてば。大勢のファンが泣くよ?」

「普通にいるんだけど。ゆき乃だって、」


言葉を止めた北人の視線の先に、あろうことか莉子と慎がいた。あちらも相合い傘で仲良くお喋りしながら歩いている。手には焼き芋があって、二人で食べていた。いつの間にか追いつかれてたのね。


「慎嬉しそう。莉子可愛いからモテるの分かる。」


目が離せないわたしの頬を北人の指がプニっと摘んだんだ。