「はい、お待ち。」
数分で出てきた豚骨ラーメンと餃子。匂いを嗅いでる北人は次の瞬間割り箸を綺麗に割るとわたしに差出してくれた。
「ありがとう。」
「うん。食べよ?」
「うん。」
一口啜ると豚骨のダシが喉を通って温まる。いやそれだけじゃないけど。
「お、美味しい!なにこれ!」
「ふは。いーね、その顔。」
ポンポンって北人の手がわたしの頭を優しく撫でた。やっぱりいい匂いがして、ほんのちょっとだけドキッとしたなんて。
二人で餃子も食べて汁まで飲み干したわたしを見て、若旦那の健太さんはえらく喜んでくれた。
「あ、待って。えっとごめん、名前、なんだっけ?」
「え、あ、ゆき乃です。」
「ゆき乃ちゃん、また来てね!北人と一緒に。」
笑ってわたしに飴玉をくれる健太さんに頭を下げた。
「また来てって、健太さん。」
傘を広げた北人がまたわたしの肩を軽く抱いて歩く。
「14日も行く?」
「行かないよ、ばーか。」
「特別メニューがあるって健太さん言ってたんだよなぁ、カップル限定で来店すると!」
「え!?そうなの?」
「そー。」
「じゃあ、北人ファンの可愛い子捕まえて行きなよ!」
「キスできないじゃん!やだよそんなの。」
「…二人一緒に食べれば問題ない、でしょ?」
「そーだね。」