漢字ふりがなスペード海賊団を抜けてすぐエース、ワノ国

エース死ぬ直前
「生きろ」
ルフィが放心状態
マルコの言葉にハッとする
エースが守ってくれたこの命を絶やすわけにはいかない
気を失っているルフィと、目の前には赤犬サカズキ。周りの海兵も、戦意を失うことなく剣を振るい続けている。ふつふつと、身体の奥から込み上げてくるものがあった。サカズキが、拳を振り上げる。

「……させない」

ぶわり。身体中から力が放出されたのを感じた。バタバタと人が倒れていき、サカズキの動きもピタリと止まる。不思議な感覚だった。

「は、覇王色の覇気…」

「貴様…どこまでいってもロジャーの娘じゃのう。目障りじゃ」




目を覚ますとルフィが暴れている
こいつら、エースが死んだって言うんだ
そうだよ、エースは死んだ
っ…何でお前までそんなこと言うんだよ、#名前#
エースは死んだんだよ、ルフィ
何で…何でそんな簡単に受け入れるんだよ!
エースが命をかけたことを、誇りをなかったことにするな!!!
殴り合う

私に喧嘩で勝ったことないくせに
エースが死んだのは、私が弱かったからだ。そしてそれは…ルフィにも言えることよ。
ルフィ、あなたは船長でしょう!待ってる仲間がいるんでしょう!ルフィがここで立ち止まったら…みんなは、仲間はどうなるの!

うわあああああああ!

……お前さんも、つらかろう

私は、ルフィの姉なの。たった一人の…姉なのよ



その場を離れて少し歩くと、潮の匂いがした。
次第に波の音が聞こえてきて、顔を上げると一面に海が広がる。崖に打ち付ける大きな波は、白い飛沫を散らしていた。
ああ、海だ。一緒に眺め、海賊になると決めたあの日の光景が目に浮かぶ。父親のことでたくさんのことを言われてきたし、酷い目にもあった。それでも自由に生きると決めて、実際こうして私たちは道は違っても自由に生きていたのだ。私を娘だと言ってくれたお父さんと、双子の兄。二人はもういない。そう、もういない。目を閉じると、焦げた匂いすらした。

もしあの時、私もーーー

「っ、おい…!」

焦った声と、掴まれた左手にハッとした。
ゆっくり振り向くと、そこには声と違わず少しだけ焦った顔をしたキャプテンの姿があった。

「なに、してんだ」

何って…?
首を傾げても、キャプテンの表情は変わらない。
ザパン、と打ち付けた波の音がやけに頭に響いた。下はすぐ、海だった。

「……海が、」

「海?」

「海が、ぜんぶ、なかったことにしてくれるかなって」

海が全て、消してくれるんじゃないかと。このまま海と一つになってしまえば、私は何も。

「……俺が行けないとこに行くんじゃねぇよ」

「」


目が覚めた。喉がカラカラだった。
むくりと起き上がると、身体のだるさが一気に襲ってくる。ぐわんぐわんと頭が揺れて、再び布団に倒れこんだ。しかしどうしても水が飲みたい。
壁をつたいながら、キッチンへと進む。ようやく辿り着き、コップに水を注いで一気に飲み干した。と同時に力付き、その場に座り込む。なんとか椅子まで辿り着き、机に突っ伏した。もう無理だ。一歩も動けない。降りてくる瞼に逆らえず、そのまま意識を手放した。




「……あ?」

喉が乾き、水を飲みにくると夜も深い時間だと言うのにキッチンの電気がついている。誰がいるのかとドアを開ければ、そこには熱を出して部屋で寝込んでいるはずの#名前#の姿があった。と言っても、机に突っ伏して寝ているのだが。
近づいて顔色を見ていると、頬は赤くうっすら汗が滲んでいる。首元に手を当ててみれば。

「熱上がってんじゃねぇか」

チッと舌打ちをして、苦しそうに呼吸をしている#名前#の身体を持ち上げた。身体が熱く、何やってんだコイツはと呆れていると服を引っ張られる感覚がした。見ると、胸元あたりをギュッと握る#名前#の姿が目に入る。縋るようなその仕草に、やれやれとため息を吐いた。
ベッドに寝かせると、

汗ではりついた髪を避け、


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