君にしか甘えられないんだ (6/8)






*******

アパートに着きロビーで門扉を開けてからエレベーターで4階に向かった。


4階の少し奥に行くと私の部屋がある。


部屋の前に着くとドアノブを回し玄関に入ったと同時に聞こえてきた足音──。


そして、それは……。


「美和ちゃーーん!」


という声と共に抱擁ほうようが始まった。


「ただいま、湊。」
「おかえり、美和ちゃん。待ちくたびれたしお腹空きすぎて限界…。」
「遅くなってごめんね。すぐご飯作るから待ってて。」
「うん、わかった。もう少しだけ待つ。」
「とりあえず、上がりたいからこの手離して。」
「うん。」


湊は短い返事をしてからすぐに離してくれた。


抱擁ほうようから解放された私は靴を脱いで部屋に上がると。


「これ持つよ。」


そう言って湊が食材の入った買い物袋を持ってくれてそのまま一緒にリビングへと向かった。


私は空腹の湊のためにそのまま着替えずに台所に入った。



「美和ちゃん、これここに置くよ?」
「うん、ありがとう。」
「どういたしまして!夕飯楽しみにしてるね!」


湊はそう言うとリビングに行きソファーに腰掛けてなにやら雑誌を読み始めたので私は急いで調理に取り掛かった。


******


時刻は21時半になろうとする頃に夕飯が出来上がりお皿に盛り付けて食卓テーブルに運ぶ。


本日の夕飯はハンバーグ。



「湊、できたよ。食べよ。」


そう湊に声を掛けると湊がソファーから立ち上がりこちらに向かってきながら。



「あ、ハンバーグだー!おいしそうー!!」


なんて言いながら食卓テーブルの椅子に腰掛けて湊はすぐにお箸を手に取り──。

「いただきまーす!」


挨拶をしてからハンバーグを食べ始めた。


湊には空腹の時間が長かったから私より大きめのハンバーグにした。


本当においしそうに食べる湊を見てほっこりしながら私も食べ進めた。





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