ありのままの君を愛してる (3/9)






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───ある日のお昼休憩の時間だった。


香奈に報告ってわけでもないけれど
あれから──。

思考しても…思考しても…わからなかったことを尋ねたくて話をすると──。


「え?まじ?やっぱり私の思ってたとおりだったか!」



湊が私の前では "心を許せる相手" と答えたことを話すと香奈は納得したように…そう言葉を発した。


「うん。それでね、質問なんだけど…。」
「なに?」
「…湊に私の前では "素" だってことが嬉しかった。…でね、1年以上彼女いないみたいなの。何故かその彼女いない理由が知りたくて仕方なくて聞こうとしたら……逆に湊に "なんでそんなこと聞くの?" って尋問されちゃって……。私も何故か考えたけど、答えれなくて……そのまま彼女いない理由も聞けなかったんだけど……。ねえ、なんでなのかな?」
「……じゃあ、聞くけど…。美和は湊君に "1年以上彼女いない" って聞いて…どう思ったの?」
「へ?」


香奈にそんなことを尋問されたのが理解不能で思わず、頓狂とんきょうな声が出てしまったけれど、その後すぐに思考してみた。




──"1年以上も彼女いない"

それが何故なのかはわからない。




だけど、1年以上も彼女いないって聞いて…

何故だか……わからないけれど──。



安心してしまった自分がいたのも確かで──。

その反面、"少し…嬉しい。" とも思ってしまっている自分がいたのだ──。


「……ちょっと…嬉しかった…かも。」
「…あ、嬉しかったんだ。でも、思ってたとおりね!」
「え?」
「……美和って…意外とにぶいよね。」
にぶい?私が?」
にぶいじゃん!…だって、嬉しかったんでしょ?湊君に彼女いないってわかって…。」
「うん。」
「……それって、つまりは…湊君に "好意を寄せてる。" ってことになるんじゃないの?」
「…へ?」


香奈の言葉に理解できなかった。

確かに湊が1年以上彼女いないのは…

嬉しかったけれど──。


でも、何故それが "好意を寄せている" に繋がるのか全く理解できなかった。



「…うーん。じゃあ質問変えるね。…美和さ、今まで彼氏いたよね?なんで別れちゃったの?」
「え?…え、えっとねー。」


香奈から新たに質問された内容に私は思考を巡らせた。


──そんなに何人とも付き合ったわけではないけれど、私にも指折り数えれるくらいには彼氏がいた。

当時はもちろん相手のことも好きだったから付き合っていた。

だけど、今思うと別れた理由って………。


ほとんどが私ではなく相手からだったように思う。


それも、"俺より幼馴染みのほうが大事なんだな。" っていう言葉と共に──。


「……そういえば、何人かには "幼馴染みのほうが大事なんだな。" とか言われたような気がする……。」


まあそれを全員に言われたわけではないけれど。


「…ほらやっぱりじゃない!」


私が質問に答えると香奈には納得されてしまった。


だけど、別に湊が邪魔をしたわけでもない。


湊とは幼馴染みだから……。

なんというか──彼氏への想いとは別に……。

幼馴染みとしての特別な想いみたいなのがあって…。

それを言葉に表すのは難しいけれど、その特別なものが元彼達には辛かったのかもしれない──。

と、今更ながらに思い出してしまった。


だからといって私は…。

湊に恋愛感情を抱いていたわけではない。



「…湊は私にとってはただの幼馴染みだよ。」
「それってさ、思い込んでるとかじゃなく?」
「…どういうこと?」
「美和が湊君といる時って…凄く優しいしてるのよね。…彼氏の前での美和は見たことないけど、湊君と一緒でさ…心許してる相手になるわけでしょ?」
「……そうかも…しれない。」


元彼達に心を閉ざしていたわけではないけれど…。

やっぱりどうしても、"見られたくない部分" や "知られたくない部分" はあったように思う。





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