ありのままの君を愛してる (4/9)






けれど、湊には見られたくない部分も知られたくない部分もない。


湊とは家がお隣で私の母親と湊の母親が友達同士だったから私のほうが6年早く産まれただけで私が6歳の時から湊のことは知っていた。


湊が物心付いた頃にはもう私と湊はずっとずっと一緒にいた。



「…ちなみに湊君に抱擁ほうようされて…ドキドキするとかはないの?」
「それはない。」
「ないか…。まあ子供の頃からだって言ってたもんね。…じゃあ湊君と女の子が並んで歩いてたらどう思うの?」
「……うーん。」


実際に見たことないからわからないけれど、もし湊が私の時のように抱擁ほうようしたりとかしていたら……。

それはそれで…良い気分にはなれない気がする。



「…わからない。でも、嬉しくは…ない。」
「……嬉しくないって思うなら、湊君にはやっぱり特別な感情があるってことじゃないの?」
「そう…なのかな?」



確かに湊が好きな気持ちはある。

だけど、それはずっと "幼馴染みとしての好き" だと思っていた。


今でもそれが "恋愛感情" なのかさえわからない。



「…まあ湊君に対して、ドキドキとかし始めたら恋愛感情になるよね。」


それは私にだってわかる。

湊といるのは1番居心地が良いし安心もできるから。


「…恋愛って難しいよね。特に1番身近にいる人に対してはっ!」
「そうだね。」



──いつからだろうか。

恋愛をしてないのは──。




恋愛感情がどんなものかさえ…。

わからなくなってしまっている気がする──。





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