ありのままの君を愛してる (6/9)






湊の拒否の言葉にも女の子は "諦めない" の一点張りだった。

そんな2人のやり取りは終わりそうになかった。


「…あ〜もう。なんなんだよお前はっ!!」


なかなか諦めてくれそうにない女の子に湊は冷たい表情に変わっていった。

私と一緒にいる時には見たことのない湊の表情に私は戸惑うしかなかった。



「…俺はずっと好きな人がいんの。だからお前の気持ちには答えれねぇって言ってんだろ!」


湊のそんな言葉に私は驚愕した。


"好きな人"


──湊、好きな人いたんだ。



何故なのか湊に "好きな人" がいるという事実に動揺してしまった。



「…それってさ、"好きな人" なんでしょ。"彼女" じゃないんでしょ?」
「…まあ…"彼女" ではないけど…。」
「…ならまだわからないじゃん。だから私諦めないからね!」



女の子はそう言うと湊の腕を離して改札のほうに向かって行った。



「…じゃあ、湊君。またバイトでね!」


改札に入る前女の子は振り返ると湊にそんな言葉を残して改札へと入ってホームのほうへ歩いて行った。


そんな女の子の姿に湊は嘆息しながら言葉を紡いだ。



「…はあ。本当にしつこい。」
「…誰なのあの子。」



動揺していて今までなにも言葉を発せなかったのにやっと口から出たのはそんな冷たい言葉だった。


「…バイト先の子。2週間前くらいに告白されてすぐ断ったんだけど、"諦めない" ってさ。」
「…ふーん。そうなの。大変ねー。」
「…美和ちゃん?」
「なに?」
「なんか怒ってる?」
「…怒ってない!」



何故かわからない。

湊が女の子の告白に応じなかったのが
嬉しいなんて──。


だけど、その反面──湊の "好きな人" 発言が気になって仕方なかった。



何故なのか。

湊からあの女の子が誰なのか聞かされモヤモヤした気分になってしまって湊にもいつも以上に冷めた言葉しか出てこなかった。





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