ありのままの君を愛してる (7/9)
だから湊に "怒ってる?" なんて問い質されても仕方ないのかもしれない。
「…美和ちゃん…"怒ってない" って表情には見えないんだけど……。」
「…怒ってないって!」
「怒ってるじゃん。ねえ、なんで?俺、美和ちゃんが怒るようなことした?」
「…怒ってない。それより帰るよ、早く!」
「あ、美和ちゃん待ってよー。」
私は
その後も湊はずっと "怒ってる?" の一点張りで私に聞いてきた。
それは………
部屋についても続いて──ついに私の堪忍袋の緒が切れてしまった。
「……あ〜〜もうしつこい!怒ってないって言ってんでしょ!」
「……美和ちゃん?」
唐突に怒り出した私に湊は驚愕した表情で私を見据えてきた。
──本当に何故だろう。
"怒ってない" はずなのに。
なんでこんなにもイライラした気分になるんだろう。
湊に "好きな人" がいようがいまいが私には関係ないのに──。
湊はただの幼馴染みなのに──。
ずっと、弟のように思っていたのに──。
──何故なんだろう。
何故、こんなにも湊のことが気になるのだろう。
「……どうしたの?変だよ。今日の美和ちゃん。」
私にもわからない。
本当に "変" になってしまったのかな。
「……わからない。なんで…こんな気分になるのかもわからない!」
「…美和ちゃん?」
「…湊が女の子と一緒にいようが…"好きな人" がいようが……私には関係ないはずなのに…。嫌だって思った。湊が女の子と話してるだけでイライラして…"好きな人" がいることにもショックだった…。本当、わけわからない自分が…!」
気付いたらそんなことを口走っていた。
やっぱり私はおかしくなってしまったのかもしれない。
「………美和ちゃん。」
「なによ?!」
「俺のこと好きなの?」
「…へ?」
湊の言葉に理解できなくて
確かに湊のことは好きだけど、弟として好き──。
「…え?わかってないの?」
「な、なにが?」
「…まじ?!」
「だから、なにがよ?!」
「美和ちゃん……
「はあ?わけわからない!」
湊が何を言いたいのか理解できないし "
──そういえば、香奈にも "鈍感" って言われたな。
私のどこが、"鈍感" なのだろうか。
「……美和ちゃん。」
「なに。」
「……俺が女の子といるの見てイライラしたの?」
「…うん。」
「俺に "好きな人" がいるって知って悲しくなったの?」
「……そうよ。」
「……それってさ、俺のこと恋愛感情として好きってことだよね?」
「……は?」
湊の口から発せられた "恋愛感情" という言葉に
──"恋愛感情" って………?!私が?湊に、か?!
思考を巡らせた………。
"恋愛感情" がどういうものなのか──。
──暫く思考して………。
そして、気付いてしまった。
湊が女の子といるのを見てイライラしたのも……。
湊が "好きな人" いるって聞いて悲しくなったのも……。
ことになるではないか──。
これはすべて私が湊に "恋愛感情" を抱いていることになるじゃないか──。
何故そんな単純なことに気づかなかったんだろうと自分が信じられなかった。
「……美和ちゃん、
そりゃあ湊にも香奈にも "鈍感" って言われるはずだ。
「……でも、嬉しいな。美和ちゃんが嫉妬してくれたなんて…嬉しい!」
「は?嬉しいって……なんでよ。"好きな人" いるんでしょ?」
「うん、いるよ。"好きな人"。」
「じゃあ、ダメじゃん。嬉しいなんて…!」
「ダメじゃないよ。だって……"好きな人" に嫉妬してもらったら嬉しいって思うのは当然でしょ。」
「…は?なに言ってんの?湊の "好きな人" は他に…。」
自分の気持ちには気付いたものの湊の言葉が理解できなかった。
私に "嬉しい" なんて──。
"好きな人" に失礼じゃないか──。
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