同居人は甘えた幼馴染 (6/10)






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大学に着き、教室に入ると。

俺が大きめの鞄を持って来たから友人数人に物凄く吃驚びっくりされてしまった。



「湊!なんだよ、そのデッカイ鞄!」
「本当だ!いつもはもっと小さい鞄で来るのに。」
「……家出。」
「「は?」」


友人達の質問に少し小声で言葉をつむぐと友人達からは間抜けな声が返ってきた。



「だから、家出してきたんだって!」


俺はなかば意地でも張るような勢いで先程と同じ言葉を今度は声量を上げて発した。


「……はあ?!家出って…なにがあったんだよ?」
「……親父がうるさいんだよ。というか、頭堅すぎて腹立って絶えれなくなった。」
「……湊、お前って……意外と可愛いところあるんだな。」
「はあ?!可愛いってなんだよ!ふざけんな!」
「あははは!わりぃわりぃ。」


友人の "可愛い" 発言に少し苛立ちその友人を揶揄やゆした。


だけど、友人からは本当に悪いとは思っていないような謝罪の言葉が返ってきて俺はもう呆れるしかなかった。


「…家出ってことはさ、泊まるところどうすんの?」
「本当だ!…あ、俺のアパートは無理だぞ。彼女いるから。」


友人の1人には高校の時から付き合っているという彼女がいる。

同棲を始めたのは大学に入ってかららしいけど。


「言われなくてもお前のところには行かねぇから安心しろよ。それに一応アテはある。その人が了承してくれるかはわかんないけど。」
「へえー。誰よ、そのアテってやつ。まさか女?」
「ひみつ。」
「なんでだよ!教えろや〜〜!」


"ひみつ" だと告げると、今度は友人達から揶揄やゆされてしまった。



「……そういえば、湊。」
「ん?」
「こないだ声かけてきた1年の可愛い子ちゃんとはどうなったんだよ?」


彼女いない方の友人が突然、思い出したようにそう俺に質問をしてきた。




"こないだ声かけてきた1年の可愛い子ちゃん" とは。


ほんの1週間程前のことだ──。


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