現に父親と進路のことで揉めて家出をしたことも亜季には一番に話した。
だけど、どうしても
――そう思ってどうしても話せなかった。
「てゆうかさ、麻弥に放課後付き合ってもらいたい場所があるの!」
亜季は唐突にそう言葉にすると、一枚の名刺を取り出した。
そこに記載されていた文字に私は目を見開く。
「…ダイア…モンド?」
「そう!ホストクラブなんだけど、一回行ってみたくてさ〜。麻弥、一緒に行かない?」
それは
私も
だけど、急な誘いに私はどうしたらいいのかわからない。
でも、
――
「行きた…」
"行きたい"―そう返事をしようとした矢先に軽快な音楽と共に私のスマホが振動した。