No.1な彼

スマホの画面には……。

【着信:高梨 啓人たかなし ひろと】の文字が表示されていた。

私は亜季に "ちょっとごめん" と断りを入れてから通話ボタンをタップした。

「もしもし?」
“…麻弥?俺だけど。“
「うん。どうしたの?」
“今、学校か?“
「うん。そうだよ。」
“そっか。昨夜はごめんな。ちゃんと寝れた?“
「あ、うん。大丈夫だよ。」
“そっか。ならよかった。それより学校何時に終わるんだ?“
「え?あ、えっと…15時には終わるけど…。」

啓人ひろとのそんな言葉に驚きを隠せなかった。

学校が何時に終わるかなんて…どうしてそんなことを聞くんだろう。

“そっか。じゃあ学校終わったら○×カフェに来れるか?“
「え?あ、うん…。」
“じゃあ学校終わったらすぐ来いよ!“
「わかった。」

私がそう返事をすると啓人ひろとは "じゃあな" とだけ言って電話を切った。

「…誰から?」
「あ、えっと…今一緒に住んでる人から。」
「そう。で、どうする?ホストクラブ行く?」
「うん、行く。」

私がそう答えると亜季は嬉しそうだった。

それから亜季と何時に待ち合わせか等を話し合った直後に朝のHR開始のチャイムが鳴った。


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