No.1な彼

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亜季と待ち合わせをして "Diamound" というホストクラブに来ていた。

ホストクラブというもの自体が初めてで最初は……。
"ウキウキ"
"ドキドキ"

そんな気持ちで高揚こうようしていた。

――お店の中に入ると数人のホストが迎えてくれて "新規" だと答えると席まで案内してくれた。
すると、暫くしてまた数人のホストの人が私の隣と亜季の隣に座ってきて…その中には啓人ひろとの姿もあった。

啓人ひろとは私を見るなり、驚愕きょうがくの表情をするも数秒後には何もなかったように自己紹介をした。
だけど、啓人ひろとは "Diamound" の "NO.1ホスト" らしく今はもう別の席にいる。
私の隣には "NO.3" の "ミナト" という名前のホストが座っていた。

――正直、楽しいと思ったのは最初だけだった。
亜季はどうやら結構楽しんでいるみたいで私のことは放置でホストの人と仲良く話している。

「ねぇ。麻弥ちゃん?」
「は、はい!」

別の席でちょっと派手系の女性と楽しく談笑している啓人ひろとを眺めているとミナトさんに突然呼ばれて声が裏返ってしまった。

「そんなにヒロさんのことが気になるの?」
「え?」

突然、啓人ひろとのことを尋ねられてしまい驚きを隠せなくて思わず頓狂とんきょうな声が出てしまった。

「だってさっきから俺の話は上の空で…ヒロさんばかり見てるから…。」
「え、そ、そんなこと…。」
「ないわけないと思うよ。ヒロさんにれちゃったとか?」
「え?えっと…そ、そういうわけじゃ…。」
「まあ惚れても仕方ないよ。ヒロさんかっこいいもん!…女の扱いも上手いし。…でも、ヒロさんって…プライベートと仕事のギャップありすぎてビックリしたんだよね〜!」


ミナトさんのそんな言葉に私は目を丸くする。
一番、啓人ひろとのプライベートを知ってるのは私のはずで……。
でも、仕事の時の啓人ひろとは今が初めてでギャップがあるなんて知らないことだったから。

「…ギャップって…?」
「仕事の時はね、すっげぇ笑顔振り舞いてるけど、出勤時と退勤時は正反対なんだよ!…そうだな…。言葉で表すなら…クールっていうの? "俺に話しかけんな!" 的なオーラが放ってんの!」

ミナトさんのそんな言葉に驚愕きょうがくした。
私と話している時は全然そんな風に感じなかったから。

そりゃあどっちかっていうとクールな部分はあったかもしれないけれど、私と話している時は優しい口調だったから。
"「俺に話しかけんな」オーラが放っている"―なんてにわかに信じられなかったのだ。


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