疑惑と真実

――あれから少しだけ仮眠をして登校した。

そして、今は昼休み。
いつものように亜季と食堂に来て昼食をとっているのだけど…。

「…ねぇ。麻弥ちゃん、いい加減教えてよー!」
「うるさい!絶対アンタなんかに教えない!」

珍しく食堂にやって来た武斗が私の姿を見つけてはまたしつこいくらいに "今どこに住んでいるのか" 聞いてきた。
――というか最近の武斗はずっとこんな感じ。
私の側に来たと思ったら…
本当にしつこいくらいに居場所を聞いてくる。
何度、"教えない" と告げても何度も何度も聞いてくる。

「なんでー?いいじゃん!教えてよー!」
「しつこい!教えないって言ってんでしょっ!」

私はそれだけを告げると食べ終わった食器を片付ける為に席を立った。

「あ、麻弥!」

亜季の私を呼ぶ声は聞こえたのだけど、武斗から逃れたくて聞こえないフリをしてしまった。


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