疑惑と真実

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【Side:亜季】


「もうー!佐倉のせいで麻弥行っちゃったじゃん!」
「だって麻弥ちゃんのことが心配だから。」

私が佐倉に文句じみたことを言うと佐倉は当たり前のようにそう返してきた。
それが私には本当に心配しているようには思えなかった。

何故なのかはわからないけれど、ただ佐倉は麻弥に執着しすぎやないかと少し怖くなった。

「てゆうか私前にも言ったはずなんだけど…。あまりしつこくしてると麻弥に嫌われるよって。」
「うーん、それでもいいから僕は麻弥ちゃんのことは何でも知っておきたいんだ。」

そう言葉にした佐倉は少し悲しそうに見えた。
だけど、麻弥は確か信頼できる相手にしか自分のことは話さないはず。
だからまだ佐倉は麻弥の全部は知らないんだよね。

「麻弥のこと何でも知りたいねー。…でも麻弥がアンタと距離置いてるから難しいんじゃない?」
「そうなんだよねー。…麻弥ちゃんって何で僕には何も教えてくれないんだろう…。」
「さあ?知らなーい!」

――なんて。本当は知ってるけど。
麻弥のことを裏切るような真似はしたくないから教えてあげない。
まあ私が嘘をついたって鈍感な佐倉には見抜けないだろうけどね。
寧ろ麻弥なんてわかりやすいくらい態度に出てるはずなのに…。
それでも気付かない佐倉だしね。
――なんてこんなこと思う私って悪い女かな……?


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