疑惑と真実

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校門前に着くと少し離れた場所に見慣れた車が止まっていた。
私は慌ててその車へと近付いて行く。
助手席に回ってドアを開けて乗り込んだ。

「…啓人(ひろと)…本当に来てくれたんだね。ありがとう」
「別にいいよ。そんなことより学校本当にいいのか?」
「うん、大丈夫だよ。私そんなに成績悪いわけじゃないから。」
「ふーん。まあ麻弥が大丈夫ならいいけど。で、これからどうするんだよ?」

啓人(ひろと)にそう尋ねられて私は啓人(ひろと)に会いたい一心で行きたい場所なんて何も考えていなかったことに気付いた。

「…なんだよ。行きたいとこねぇのかよ。」

次にそう言葉にされても何も答えれなかった。
本当に何も考えていなかったしどこに行きたいか―なんて咄嗟(とっさ)には思い浮かばない。
でもどこに行きたいか決めなくちゃ啓人(ひろと)を困らせてしまう。

「……甘いものが食べたい。」

何となく――出た言葉だった。
だけど、甘いものが食べたいのは本当で武斗に対してイライラしてた分何か甘いものを食べたい気分だったのかもしれない。

「…甘いもの…じゃあケーキビッフェの店でも行くか?」
「行きたい!」
「じゃあ決まりだな!俺、良い店知ってんだ!」

啓人(ひろと)はそう言葉にすると車を走らせた。

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数分走っていた車は暫くして小さな駐車場に停められた。

「着いたぞ。」

啓人(ひろと)のその言葉に私は車を降りて啓人(ひろと)の後について行った。
啓人(ひろと)は一件の建物に入って行く。
ふと私は看板に目を向けると見覚えのあるお店の名前だった。

「いらっしゃいませ!」

啓人(ひろと)と共に店内に入るとそこにいた店員さんはやっぱり私の見知った顔だった。

「……あれ?麻弥お嬢様?」
「こ、こんにちはっ!」

啓人(ひろと)の後ろにいた私に気付いた店員――というか彼はここのオーナーでここのパティシエが私の名前を驚いた様子で声を掛けてきて私が軽く会釈(えしゃく)すると今度は啓人(ひろと)が驚いた様子で私に問い質(ただ)してきた。

「麻弥、ここの店知ってんの?」
「…知ってる…というか…お店に来るのは初めてなんだけど、ケーキは受注してたから…。」

――てゆうかこんなことを言葉にしたら……私の家柄のことが啓人(ひろと)にバレてしまうことを今更ながらに気付いた。
まあ特に家柄のことを隠してるつもりはないし私の苗字を聞けば誰であろうとわかるはずなんだけど。

「え?受注って…まじかよ。」
「はい。麻弥お嬢様の邸宅までよく配達させていただいてたんですよ。…ただ、ここ数年は受注もなく邸宅にも配達してませんでしたけど。…ところで啓人(ひろと)さんとお知り合いだったんですか?」
「知り合ったのは最近だよ。ちょっとわけあって…俺の家に居候中なんだ。」

啓人(ひろと)はそうパティシエの―戸倉(とくら)さんに淡々と説明をしてくれた。

「そうなんですか。…あ、どうぞ。空いてる席に座ってください。」

戸倉さんにそう促され私と啓人(ひろと)は空いてる席に向かい合わせで腰掛けた。
そして、私は久しぶりの戸倉さんのケーキを思いっきり堪能したのだった。

「麻弥、よく食べるな。」

啓人(ひろと)はそう呆れたように呟いた。

「戸倉さんのケーキ久しぶりに食べた。高校生になってからはずっと食べてなかったから…。」
「そうか……てゆうかずっと気になってんだけど、俺に突然電話したのって…何かあったのか?」

突然、啓人(ひろと)にそんなことを尋ねられてしまい私は言葉に詰まる。
確かに啓人(ひろと)からしたら突然の電話は不思議に思うよね。
でも私はやっぱり啓人(ひろと)には嘘をつきたくなくて勇気を振り絞って話すことにした。


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