「おい、その手離せよ!」
私の引っ張られている方の右手が誰かの手に掴まれてそのまま後ろに引き寄せられた―かと思った瞬間にはもう誰かの胸に頭を預ける形になっていた。
「何だよ、お前!」
「…俺はこの子の彼氏だよ!だから俺の許可なく勝手に触ってんじゃねぇよ。」
「…なんだよ男持ちかよ。行こうぜ!」
突然現れた男の人の言葉に数人の男の人はそんな言葉と共にどこかへ行ってしまった。
「…大丈夫?」
私は何がなんだかわからなくて
戸惑いながらもその声に頭を上げるとそこにいたのは…
スーツ姿の長身の美青年で髪型は少し長めで前髪の中央辺りともみあげ部分に入った金メッシュが印象的だった。
「あ、あの…?」
「あ、急にすいません!彼氏なんて適当なこと言ってしまって…」
そう言うと彼は少し困ったような表情をした。
「あ、い、いえ!助けて下さってありがとうございます!」
私は慌ててそう御礼の言葉を告げた。
「どういたしまして。それよりこんな夜に女の子が一人で危ないよ。またさっきみたいにナンパに絡まれるだろうし。」
初めて出会った私を心配してくれる彼に心臓が高鳴っていた。
