夜の街

「名前は?」
「あ、七瀬 麻弥ななせ まや…です!」

彼の言葉に考え事をしていた私は慌ててそう答えた。

「麻弥ちゃんね。俺は高梨 啓人たかなし ひろと。」
「…啓人ひろとさん。」
「"啓人ひろと" でいいよ!俺も "麻弥" って呼んでいい?」
「あ、はい!」


私がまた慌てたような声でそう返事をすると彼―啓人ひろとはクスって微笑むと口を開いた。


「後、敬語もなしで!俺の前では素のままの麻弥で大丈夫だよ。」


そんな啓人ひろとの言葉に私の心臓はまた大きく高鳴る。

――啓人ひろとはどうしてこんなに優しいのだろう?

彼の優しすぎる言動や行動に思わずそう心の中で呟いてしまっていた。


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