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彼と偶然出会ったのは私が19歳の時だった。


高校時代からずっと大好きな俳優さんで─その日もいつものように本屋に寄って彼の雑誌を購入してCD SHOPへと足を運んだ。

私がよく聴く音楽は主にJ-POPで─その時もJ-POPコーナーで普通に物色していた。

そして、あるアーティストのCDを手に取ろうした矢先─私の伸ばした手と同時に別の手も伸びてきた。

その手と手同士がゆっくり重なる。


「「あっ…!」」


そう声を発したのも同時だった。
私が慌てて引っ込めるとその手も同時に引っ込んだ。

私はゆっくりとその手の人物に目を向けるけれど、相手は帽子とサングラスで顔はよくわからなかった。


「……。」
「……。」


何を言っていいのかわからず沈黙が続くがその暫く後に先に口を開いたのは相手の方だった。


「……このアーティスト好きなんですか?」
「…え?」


唐突なその言葉に思わず間抜けな返事をしてしまった。


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