「…あ、えっと…好きというか…好きな俳優さんが出てたドラマの主題歌だったんで気になって…。」
「あ、そうなんや。俺はこのアーティスト結構好きなんよね〜。」
彼はそう言葉にするとゆっくりそのCDを手に取った。
だけど、私はそんな彼の言葉よりも彼の声と喋り方が妙に気になってしまった。
顔は見えないけれど、どこかで聞いたことあるような少し低めの声だったから――。
でも、もしそうだとしても彼がこんな場所にいるなんて…。
信じられない。
「…あ、あの…!」
「ん?」
「…間違ってたらごめんなさい!」
私はそう最初に謝罪の言葉を述べながら数時間前に買ってきた雑誌を袋から取り出してある俳優さんのページを開いた。
そして、小声で…。
「……もしかして…
私がそう言葉を発したと同時に彼は慌ててCDを元の場所に置いて私の手を急に引っ張って歩き出した。
そして、
.
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