幸せの先と未来
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――数日後。
時刻は午前九時三十分。
俺は面接のためにスーツを着てある会社のビル前に立っていた。
それは……。
陽菜の勤務する会社―― "○○コーポレーション" である。
勿論、陽菜はもう出勤している時間帯なので…陽菜には面接の時間帯と後に連絡するという趣旨もメッセージで昨夜のうちに伝えてある。
ちなみに面接は十時からだけど、この日の朝は "○○コーポレーション" の面接と夕方にもうひとつだけ他社の面接を入れてあるだけだった。
もちろん本命はここ― "○○コーポレーション" だった。
ただ、内定を取れるか―っていう自信があるわけではないから保険のために何社か受けているところだ。
そして、意を決して俺は歩き出し "○○コーポレーション" の社内へと足を踏み入れた。
"面接会場" と書かれた看板を目印に沿って進み、恐らく会議室の一室であろう場所に辿り着くと―。
そこには俺と同じ面接を受ける就活生が男女関係なく数人いた。
そんな就活生を横目に俺は面接参加の手続きを済ませてから面接待ちの椅子に腰掛けて暫く経った後だった。
「…え、廉?」
突然名前を呼ばれて声のした方に目を向けると、そこには――。
高校時代の元カノがいたのだった。
「…真紀。」
「久しぶりじゃん!私のこと覚えてくれてたんだね。」
確かにあまり女の名前は覚えていないけれど、真紀は何故か一番長く続いた相手だったからか過去の女では唯一と言えるくらいには覚えていた。
「…久しぶり。でも、なんでお前がここに…。」
「なんでって…面接受けに来たに決まってるでしょ。」
「そうか。」
偶然にしてもまさか元カノと再会するなんて思ってもみなかったから俺は
しかも陽菜のいる職場でなんて――。
俺は何だか複雑な気持ちになってしまった。
「…廉も面接受けに来たんでしょ。」
「…当たり前だろ。ここにいるんだから。」
「じゃあ私達同期になるかもしれないんだね。なんか嬉しいな。」
「……。」
真紀のそんな言葉には何も返す言葉が見つからなかった。
何故なら俺には真紀と "同期になるかもしれない。" ことに "歓喜" とかそういう感情は抱かなかったから。
「…あれ?廉は嬉しくない?私と同期になるかもしれないこと。」
さすがに元カノなだけあって俺の思考力には表情だけで読み取ったようだった。