幸せの先と未来




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何とか無事に面接が終わり、陽菜にもスマホのSNSメッセージで面接が終わったことを報告した。

できることならこのまま陽菜と昼食をとりたいところだけれど、陽菜の仕事の都合があるし面接が終わったことしか報告していない。


──そして、陽菜にメッセージを送信した直後のことだった。

「廉!」


名前を呼ばれて声のした方に目を向けると真紀だった。


「お昼一緒に行かない?」


真紀に昼食を誘われて俺はチャンスだと思った。


俺の面接前に話していたことの続きを真紀には "話さなければいけない。" と思っていたから。


「いいよ。真紀に話しておきたいこともあるし。」
「そう。じゃあ行きましょ。せっかくだしここの食堂行こうよ。」
「あぁ。」


真紀にこの会社の食堂に行こうと提案されて俺はそれに応じて真紀と一緒に食堂に向かったのだが向かう途中で俺のスマホが振動した。

鞄からスマホを取り出して画面を見ると。


【着信:陽菜】


「ちょっとごめん、電話。」
「出ていいよ。」


真紀の許可を得てすぐに俺は通話ボタンを押して電話に出た。


「もしもし?」
“もしもし…廉、今どこにいるの?“
「3階。」
“3階?面接終わったんだよね?“
「終わったよ。今から食堂向かうところ。」
“え?じゃあ私も今からお昼だから食堂行くよ。“
「わかった。」
“じゃあまた後でね。“
「はいよ。」


俺はその返事だけをして電話を切った。


「電話、誰から?」


陽菜と会えることに歓喜して最初一緒に食堂へ向かおとしていたのが真紀だったことにそう尋ねられて思い出した。


「…彼女。」
「え?」


俺が何の躊躇ためらいもなく電話の相手は "彼女" だと告げると案の定真紀からは頓狂とんきょうな返事が返ってきた。


「俺、今彼女いるんだ。」
「え、うそ、いつから?」
「3年は付き合ってる。」
「…うそでしょ?…女には無関心だった廉が…3年も1人の女と付き合ってるの?」
「まあな。」

真紀がこんなにも驚くのは無理もないのかもしれない。

陽菜と出会うまでの俺は本当に女は誰でもよくて告白されれば来るもの拒まずだった。

それに長く付き合っても2,3ヶ月程度だった。


「信じられない!私でも半年だったのに。」


"信じられない!"と言われても仕方ない。


だって俺自身も1番驚いているのだから。


恋愛というものに興味がなかったのに…。


だけど、それは陽菜に出会って変わってしまったのだから。

──というか陽菜が恋愛に興味のなかった俺を変えてくれたんだ。


まあかといって陽菜以外の女には興味ないし陽菜以外とは付き合おうとも思わないんだけど。


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