苦手なもの




「…蕁麻疹じんましん出てないじゃん。」
「…え?」


彼の言葉に再び驚愕きょうがくして恐る恐る自分の腕に目を向けると。



彼の言うとおり何故か蕁麻疹じんましんが出ていなかった。


いつもなら腕を触られただけで出るのに……


「…どうして…」
「俺だけには出ないってことなのかな?」



私にもわからない。

何故、彼─藤堂君は平気なのか。







その後も廊下ですれ違う男子生徒、男性教諭と少しでもぶつかったりするとやっぱり蕁麻疹じんましんは出て…。


本当に本当に藤堂君だけが平気なんだと…。

確信したんだ──。



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