苦手なもの
───あれから私と
もちろん今でも廉以外の男の人には触れることもできないまま。
「ねぇ、
昼休みになり、同期で社内では一番仲の良い
私はカルボナーラ、真由はクリームパスタを注文して食べていると唐突に真由がそんなことを言い出して頬張っていたカルボナーラを吹き出しそうになった。
「…な、なに?突然!」
「いや、ほら!
真由の口から出た "池上さん" って名前に私は肩を小さく
──
私と真由と同じ課の三つ年上の先輩である。
池上さんは私が入社当時から色々と指導してくれて凄く優しい人――。
だけど、最近はよく食事に誘われたりすることが多くなった。
「廉とは順調どころか私は廉にしか触れないの知ってるでしょ?」
「まあね。でも池上さんは陽菜が男性恐怖症なの知らないんでしょ?」
「うん、それは言ってないけど…。」
そう。池上さんには私が男性恐怖症であることは話していない。
今までも池上さんと触れる程密着するようなこともなかったし誘われるのも私が帰り支度をしている時やタイムカードを押す間際の時だった。
「池上さん、どうするの?」
「どうするって…私は廉しか無理だもん。」
「だったら池上さんに "年下彼氏くんにしか触れられない体なんです〜!" って言っちゃえば?」
「…なんかその言い方やらしい〜!」
「そう?でも本当のことでしょ。」
真由のそんな言葉に私は何も言い返せなかった。
実際私は廉にしか触れられないのだから。
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