苦手なもの




───あれから私とれんは付き合い始めて3年が経ち私は大学を卒業し社会人になった。


もちろん今でも廉以外の男の人には触れることもできないまま。



「ねぇ、陽菜ひな。年下彼氏君とは順調なわけ?」


昼休み──同期で社内では一番仲の良い真由まゆとパスタのお店に来ていて…。

私はカルボナーラ、真由はクリームパスタを注文して食べていると唐突に真由がそんなことを言い出して頬張っていたカルボナーラを吹き出しそうになった。


「…な、なに?突然!」
「いや、ほら!池上いけがみさん!陽菜に気があるみたいじゃない?…だから年下彼氏君とは… "順調なのかな。" って気になったの!!」


真由の口から出た "池上さん" って名前に私は肩を小さく戦慄わななかせてしまった。


──池上いけがみさんとは…。


フルネームは池上 悟いけがみ さとる

私と真由と同じ課の3つ年上の先輩である。



池上さんは私が入社当時から色々と指導してくれて凄く優しい人──。


だけど、最近はよく食事に誘われたりすることが多くなった。


「廉とは順調どころか私は廉にしか触れないの知ってるでしょ?」
「まあね。でも池上さんは陽菜が男性アレルギーなの知らないんでしょ?」
「うん、それは言ってないけど…。」


そう。池上さんには私が男性アレルギーであることは話していない。


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