苦手なもの
「あ、はい…黙っててすいませんでした。」
「だからか。俺の誘い断ってたの。」
「え、あ、まあ…」
本当はそれだけじゃないのだけれど、敢えて私の "男性恐怖症" のことには触れないで肯定した。
けれど、そんな私の "誤魔化し" は廉の言葉で覆されることになるのだった。
「…陽菜がお前の誘いに了承しないのは俺がいるからってだけじゃねぇよ。」
「…え?」
廉のそんな発言に池上さんだけではなく私も驚愕した。
何故なら、廉が何を話そうとしているかが瞬時にわかってしまったからだ。
「廉、言わなくていいよ。」
私はそう言いながら廉を見上げたけれど、廉は私のそんな言葉も無視して私の体のことを打ち明けてしまった。
「陽菜は俺以外の男には触れられない体質なんだよ。」
「は?」
「廉!」
池上さんは廉の言葉に理解できなかったのか
「本当のことだろ。さっきだってコイツに触れられて…出たんだろ?」
「う、うん…」
「じゃあ別にいいじゃん。陽菜は俺だけに触れてればいいんだよ。」
「廉…」
そんな廉の言葉に私は嬉しくなってしまって池上さんが居るのにも関わらず廉に抱きついてしまった。
だけど、そんな私とは対照的に今まで唖然としていた池上さんが急に口を開いた。
「あの、出たって?」
「あ、えっと…私…」
「陽菜、子供の頃から男に触れられると蕁麻疹のような症状が出るんだよ。でも何故か俺には最初から平気で。だから陽菜は俺にしか触れない体なわけ。」
「じゃあ、さっきの拒絶は…?」
「池上さんに触れられるのが怖くて……すみません。」
「そうだったんだな。俺の方こそ知らずにごめんな。」
「いえ、そんな…。」
池上さんに体のことを伝えれたのはいいけれど、なんだか申し訳ない気持ちでいっぱいなってしまった。
「…あ、でも…体のことがなくても彼氏いるなら食事は無理だよな。ごめん。」
「そうだよ。男と食事になんて冗談じゃねぇよ。」
池上さんの言葉に廉はまた刃向かうような口調で池上さんにそう言葉を放った。
「…廉くん、だっけ?」
「なんだよ。」
「…神楽とはいつから付き合ってんの?」
「まだ陽菜が大学通ってた時からだけど。」
「じゃあ君は年下?」
「だったらなんだよ。」
「いや、別に。…そうか。彼氏いてその彼氏にしか触れられないなんて…なんか悔しいなって思ってね…。」
池上さんはそう言うと私と廉の横を横切って
"じゃあな。神楽" と一言放って帰って行った。
「…なんだよ、アイツ…。」
「池上さんに悪いことしちゃったな。」
「は?なんで?」
「だって…私が廉にしか触れない体だから。」
「別にいいじゃん。俺は逆にそれが嬉しいけど。」
「え?どうして?」
「どうしてって…陽菜が仕事中に男に触られることもないだろ。…仮に触られたとしても俺は大学あるから陽菜を助けに来れねぇしさ。」
「あ、そうか!」
「おう!…てかそんな事より早く帰ろうぜ!」
「あ、う、うん!」
廉が
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