君に夢中なんです。
「…馬鹿じゃねぇの。何ムキになってんだよ。」
俺は気持ちを落ち着かせようと小さく嘆息すると、直後に聞こえてきた少し呆れたような声色と言葉を発言した
「…別にあたしは何言われても…何と思われてようと気にしてねぇよ。」
「弥生は気にしてなくても俺が気になるんだよ。」
「は?何でだよ?」
「それは……秘密!」
「は?意味わかんねぇ。」
そう言うと弥生はそれ以上は何も問い質さず再度窓の外を食い入るように眺めた。
──だって言えるわけないじゃんか。
"弥生が好きだから" ──なんてそんな恥ずかしい告白の言葉を言えるわけない。
ましてや今は授業中で皆の前でなんて余計に口が裂けても口に出せるわけがない。
それに弥生だって告白されたらきっと恥ずかしくて絶えられないはず──。
弥生はこう見えても意外にも恥ずかしがり屋ですぐ照れはするだろうけど、それを隠す為にツンデレ状態になるだろうから。
勿論それは俺しか知らない弥生の素顔の一つなんだけどね。
周囲の人間は弥生のことを外見でしか判断していないから弥生が本当はどんな性格か─だとかどう思考してるか─だとか全てを知らない。
だからそんな弥生の素顔全てを知っているのは多分俺くらいだと思う。
何故なら俺と弥生は幼馴染みだから──。