君に夢中なんです。
弥生は俺が追いかけているなんて微塵も気付かずに歩くスペースを落とすことなく校舎内に入り階段を掛け登って行った。
俺も校舎内に入り階段を上がろうとした瞬間──甲高い声と共に駆け寄ってくる足跡が二人分俺の耳に響いてきた。
「あ、玲央君!やっと見つけた〜!」
「どこに行ってたの〜?私達玲央君のことずっと探してたんだよ〜。」
俺はそんな言葉を投げ掛けてくる女子生徒二人組に何も返答せずに
だけど、何も返答せずに階段を登る俺にも特に気にも止めていないのか後を追いかけてきて…
そのまま先程とは別の言葉で女子生徒二人組は話し掛けてきた。
「ねえねえ玲央君。放課後って暇〜?」
「私達とどこか遊びに行かない?」
この女子生徒二人組の遊びの勧誘は毎日と言っても過言ではない程だった。
俺は弥生以外と遊ぶ気もないし会話をする気もないのだけれど、この二人組にはどんな言葉を投げ掛けても効果がなかった。
俺は毎日のようにこうして話しかけてくる女子生徒二人組には正直もうウンザリしていた。
それに俺に近寄ってくる女子は皆、大抵は俺の容姿が目当てで中身なんて見てもいないのだから相手にするだけ時間の無駄だと思う。
「…俺、放課後は暇じゃねぇし。」
「え〜〜玲央君、いつもそればっかじゃん!」
「そうだよ。たまには私達と遊ぼうよ!」
――あぁ、まじでウザイ。
俺は心の中でそんな悪態を吐きながら外面では嘆息するしかなかった。
「…つかいつまでついて来る気なわけ?」
女子生徒二人組のせいでいつの間にか前方には弥生の姿はなくて苛立ち始めている俺の後を尚も追いかけてくるから…
一旦、俺は階段を上がっていた足を止めて女子生徒2人組に疑問の言葉を投げ掛けた。
――俺は早く弥生のところに行きたいんだけど。
本当はそんな言葉を口に出したいのを堪えながら女子生徒二人組の返答を待った。
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