恋敵は強者 [10/12]
私は今までの恐怖が一気に押し寄せてきてそのまま腰が抜けて床にしゃがみ込んでしまった。
「葵!大丈夫か?」
そんな私に響ちゃんは駆け寄ってきて私の目の前で同じようにしゃがみ込む。
「…き、きょうちゃ、ん……こわ…かっ…た…よ…」
私は気が付けば涙を流していた。
「もう大丈夫だ!」
響ちゃんはそう言うと私を優しく抱き締めてくれた。
そんな響ちゃんの腕の中が温かくて私の涙は留まるをことを知らないかのように溢れ出した。
「…葵…もう泣くな。本当に大丈夫だから。」
「…うん。響ちゃん、助けてくれてありがとう…」
少し涙が治まってきて落ち着いてきた頃。
私は響ちゃんにそうお礼の言葉を述べた。
「あぁ。どういたしまして。葵のこと守るって言ったからな。」
「…うん。ありがとう。」
「てゆうかさ〜お取り込み中悪いんだけどさ〜おふたりさん!俺のこと忘れてな〜い?」
突然聞こえてきた響ちゃん以外の男の声に私は慌てて響ちゃんから離れた。
「祐也!そういえば居たんだったな!」
「なにさ!その言い草!最初から居たっつーの!」
「わりぃわりぃ。」
「もう〜!本当に響は葵ちゃんのことになると周りが見えてないんだから〜!」
祐也君のそんな言葉に私は訳がわからずにキョトンとしてしまった。
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