恋敵は強者 [11/12]



「祐也!余計なこと言ってんじゃねぇよ!」
「そんなこと言われてもねぇ…葵ちゃんのことを散々聞かされ続けた俺の身にもなってくれないかな〜。」
「祐也!」


響ちゃんは祐也君のそんな言葉に慌てた様子で祐也君を睨み付ける。


だけど、私は未だ祐也君の言葉の意味がわからないままだった。



「葵ちゃん!」
「は、はい?!」


放心状態のままの私に祐也君が名前を呼んできて慌てて返事をした為に声が裏返ってしまった。

だけど、祐也君はそんなことも気にも止めずに話し始めた。


「響は昔からずっとずっと葵ちゃんのことばっかりだった。…まあ詳しくは響に聞いてね?俺は邪魔者だから帰るよ!バイバイ〜♪」


祐也君はそれだけ言うと私の返事も聞かずに去って行ってしまった。




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