味方は元恋敵 [3/6]



桐谷きりやの女だろ?お前。」


再びそう尋ねられたけれど、私は何も答えられなかった。


たとえ否定したとしても私自身に起こるであろう危険は回避できない。


なぜなら私が響ちゃんと一緒にいるのは日常なわけだし "彼女" だとバレるのも時間の問題だろうから。



「…桐谷きりやの女ならお前には桐谷きりやおびき出すためのおとりになってもらうぞ。ついて来い!」


先輩はそう言うと突然私の右腕を掴み引っ張り始めた。


私は再度恐怖心に駆られ先輩の手を振り解くこともできなかった。


このまま "桐谷 響きりや きょうおびき出すためのおとり" としてこの人たちに付き合うしかないのだとそう覚悟を決めた瞬間だった。


「おい、待ちな!」


突如、聞き慣れた声がして男子生徒と私は同時に驚愕きょうがくして振り向くと──。


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