第二章 (5/5)



「お兄さんはボクに用事があるんでしょ?そうなんでしょ?用事がなきゃ写真なんて撮らないもんね。ボク、知ってるんだよ?お兄さんが何者なのか。あと、ユウのことも…。」


舘脇たてわきは利き腕を上げようとするが動かす前に智也がニヤリと笑う。


「動けない!」
「動かせるのはこのお口だけだよ!」



智也と舘脇たてわきの口が不意に重なりあった。



「今日のボクは機嫌がいいからこれ以上何もしないであげる。もしボクに用事があるなら探してよ、はじめお兄ちゃん!」



智也はそれだけを舘脇たてわきに言い放つとスーッと消えた。


「一体…?」
舘脇たてわき会長!」



訳がわからないまま舘脇たてわきがその場に立ち尽くしていると、自分の名前を呼ぶ声が聞こえ…


そちらに顔を向けると、会計の足立が小走りで向かってきた。



舘脇たてわき会長、これで全て部活動の会計書類が…会長?」
「え、あぁ。そろったのか?」
「はい!あの、会長…」
「なんだ?」
「ユウ先輩と何かありましたか?」
「ユウ……」
「はい、北野ユウさん。彼女とさっきすれ違ったんですけど…様子が変というか…泣いてました!」
「……なぜ俺が原因だと思うんだ?」
「ユウ先輩とすれ違うまで誰にもすれ違いませんでしたし…それに校舎とこの渡り廊下まで1本で……ユウ先輩は3階には上がらない。3階には1年生の教室しかありませんから!」
「そうか…」


舘脇たてわきはそう返事をすると、悲しそうな表情で空に向かって微笑んだ。



「会長。」
「ん?」
「会長が何を考えているかわかりませんがユウ先輩も助けられますか?僕の時のように…」
「ああ。多分な…」
「会長、僕は信じていますよ。きっとユウ先輩を助けてくれるって!」




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