―――翌朝。
目覚めると時計の針は八時十分前だった。
(やっべ…遅刻する!
コンタクトして……ダッシュするか!)
大きな欠伸をしながらベッドから起き上がり、コンタクトをして制服に着替え、走って学校へ向かった。
***
学校に着いてすぐに見知った顔が私に気付き、声をかけてきた。
「あれ?」
「ん?」
「おはよ、珍しいね。アンタがギリギリ登校するなんて……。」
「おはよ、佐倉。そんなに珍しいか?」
「だって、アンタ…いつもHRの十五分前には来て
澄ました顔で机に座ってるじゃん!」
「…………。」
「きゃー遅刻するぅー!」
佐倉とそんな会話をしていると、突然、鏡を片手に女教師が走ってくる。
そして、ユウと佐倉に気付いた女教師は…。
「北野さん、佐倉君、おはようございます。先生にご挨拶は?」
「おはようございます、先生!」
「おはよーございます、真澄ちゃん!」
「いい返事ねーよろしい!……あ、きゃー遅刻するぅー!」
そう言って再度、上野真澄先生は走って職員室へと向かって行った。
そんな上野先生の後ろ姿を見つめながら佐倉が口を開く。
「相変わらずだね、真澄ちゃん」
「真澄ちゃんって……。」
「アンタも早く教室に行きなよ!」
「佐倉、お前はどこに行くんだよ。」
「部室行ってくる。真澄ちゃんがあの調子じゃHRはまだでしょ?」
「お、おー。」
ユウがそんな曖昧な返事をすると佐倉はそのまま部室のある方角へと走り去って行ってしまった。
佐倉がいなくなってすぐ後、教室に向かおとしたところで突如…涼しげな少し高めのトーンの声主に呼び止められた。
「先輩!」
ユウはふと後ろを見るが、見覚えのない男子生徒が立っている。
「やっぱり先輩だ!」
ユウの姿を見るなり、歓喜の表情で微笑みながらその彼は言葉を紡いだ。
彼はユウと同じ位の身長でクリーム色の髪をしていた。
だが、ユウはふと思う。
(赤いリボンか。)
この学校はリボンの色で学年がわかるようになっている。
一年は赤、二年は青、そして三年は緑である。
彼がしているリボンは赤。
つまり一年生ということになる。
そんなことを思考していると、彼は歯切れの悪そうにしながら再度口を開く。
「先輩、あのね、僕…。」
「ごめん、話す前に……誰?」
「あぁ、ごめんなさい。僕、立花スバルといいます。…先輩、スバルと呼んでくださいね!」
そう言われるも、ユウは適当に返事を返す。
何故なら正直、興味がないからだ。
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