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ユウは急ぎ足で帰宅し家の前に着いたところで携帯の着信音が鳴る。
画面を見ると非通知の文字。
ユウは
「もしもし」
『もしもし、私です』
「……何?」
『今日もあの子に会ったのですね』
受話器の向こうからは不気味な声が響き渡る。
「ああ」
『フフ、あなたは何も思わないのですか?この状況を…』
「もう……昔のことで……私には何もできない……選ばれし者だから…」
『そう…ですね。もう今年で二千年もの出来事です。今更どう
「……だけど、時間は戻らない。」
『はい、確かに時間は戻りません。しかしこれからの未来は変えることはできます。あなたの意思であなたが願えば…ですが。』
「…………」
『時間はあと六日あります。考えてみて下さい、北野ユウさん。あ、そうそう……
電話の相手はそんな言葉だけを放ってユウの返事も聞かずに通話を切ってしまった。
「…くっそ!」
電話の相手の言葉に焦りと苛立ちを覚えユウは思いっきり下駄箱の扉を蹴る。
「どうしたらいいんだよっ!」
そして、そのままその場にしゃがみ込むしかできなかった。
その瞬間──。
──何もしたくない
──誰とも会いたくない
──もう生きたくない
そんな声がユウの脳内に囁いた。
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