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「おっはよー!」
佐倉はユウの後ろ姿を見つけて挨拶をするが、ユウからは………
「おはよ。」
いつもより低めの声音で挨拶が返ってきた。
というよりも機嫌の悪そうな感じにも見えた。
そんな様子のユウを不思議に思い、顔を覗き込みながら佐倉は声をかけた。
「どうしたの?寝不足?目の下にクマさんができてますけど…」
「少しな。」
「昨日、あんたの用事って何だったの?」
「私、佐倉に用事があるって言ったっけ?」
「あり?あんた、昨日のこと覚えてないの?」
「今日はそれどころじゃない。」
「あら、今日のあんたはご機嫌斜めなのね。」
ユウは佐倉の言葉には答えず、足早に歩き出すが佐倉もユウの歩くテンポに合わせ喋り出す。
「昨日、あのあと吹奏楽部の部室に行ったの。そしたら会計くんが…」
「その会計くん、隣にいてることわかってる?」
「はい?」
「おはようございます!佐倉先輩。会計の足立要です。朝からどうもすいませんが昨日の書類は持ってきてくれたでしょうか?」
「……」
「足立君…多分佐倉のことだから部室に置いているか後輩に押し付けてるんじゃないかな?」
「えっと、あなたは…」
「佐倉と同じクラスの北野ユウです。」
「ユウ先輩は…佐倉先輩の彼女ですか?」
「私、こいつの彼女になった覚えはないから。ただの友達。あ、そうだ。今日は
「はい。」
「じゃあ、伝言お願いできる?」
「なんですか?」
「私は逃げも隠れもしない。」
「えっと…それは…」
「彼に伝えて。これだけでわかるはずたがら。じゃあ遅刻しないように気をつけて粘りなさいね、足立君。佐倉、そこで方針状態だから!」
ユウはそう足立と佐倉に言葉を
──いつものように時間だけが今日も過ぎていくと思った。
しかし現実はそう甘いものではなくて……。
ユウが渡り廊下に差し掛かった時だった。
「北野さん!」
突然、呼ばれた自分の名前。
声のした方に顔を向けると、そこにいたのは…
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