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──律先輩と付き合い始めて数ヶ月が経った。
律先輩と付き合い始めの頃よりは大分緊張もしなくなっていて…少しずつだけど、会話も弾む─というかスムーズにできるようになってきていた。
──そんなある日のこと。
部活終了間際になり、私がマネージャーとしての仕事をこなしていると突然、声を掛けられた。
「
声のした方に振り向くとそこに居たのは同じクラスでバスケ部員でもある佐々木君だった。
「佐々木君、どうしたの?」
私がそう答えると佐々木君は少し気まずそうにしながらも口を開いた。
「俺、もうちょっと自主練したいんだ。だからボールまだ片付けないでくれないかな?」
佐々木君はそう言うと私が片付けようとしていたボール
「…あ、うん。わかった。」
私はそう返事をしてから佐々木君にとりあえずボールを1つだけ手渡した。
「ありがとう。」
佐々木君は私からボールを受け取りながらお礼の言葉を
そして、その暫く間を開けてから再び口を開いた。