「…
「なに?」
「俺…
佐々木君の言葉は唐突に
「あ!律先輩!」
もちろん制服に着替え終わって体育館の扉前に立っている律先輩だった。
「どうしたんですか?」
私がそう言葉を発しながら律先輩の側まで駆け寄ると──。
「…まだ掛かるのか?」
「え?あ、ごめんなさい。なんか佐々木君がまだ練習したいみたいで…。」
私がそう答えると律先輩は佐々木君に目を向けたが…すぐに私の方に戻して口を開いた。
「…ふ〜ん。…矢野はどうしたんだよ。」
「え、
「そっか。…お前…佐々木とか言ったっけ?」
「は、はい!」
律先輩は再度目線を佐々木君に向けて呼び掛けた。
「…自主練はいいけど、後片付けお願いしていい?」
「え?あ、はい!大丈夫ですけど…。」
私は律先輩の言葉に驚いたけれど、佐々木君は意外にもあっさり了承の返事をした。