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【Side:律】
俺と矢野と佐々木とかいう1年の部員だけになってしまった。
それに俺はそこまで口上手くもなくて…必要最低限は何も話さないからなのか─周りからはよく無口で冷静沈着なんて言われている。
「あ、あの…桜木先輩と
少しばかり思考をしていた俺の耳に突然入ってきたのは佐々木のそんな言葉だった。
その佐々木の問い掛けには矢野も驚いた様子だったけれど──。
「その… "もしかして" じゃなく付き合ってるよ。…でも、どうしてそんなこと聞くのよ?」
何故か俺の代わりに佐々木の質問に答えたのは矢野だった。
「いや、桜木先輩が
佐々木のその言葉に無表情のまま口にも出さず心の中で妙に納得してしまった。
──確かに俺は "彼女" 以外の女子のことを名前で呼んだりなんかしない。
けれど、だからと言って俺と
「…なに?桜木と
俺が正に疑問に思った言葉を口にしたのは…。
またしても矢野だった。