嵐の予感と想い ( 6/ 19 )


***********

私が部室に入るとそこに居たのは…。


「…あ!沙結さゆちゃん!」

畑山はたやま先輩だった。


「あ、お疲れ様です!」
「お疲れ様!…つか沙結さゆちゃんが部室に来たってことは…。麻子あさこのやつ…。また自分1人で片付けするつもりなのか…。」


畑山はたやま先輩はそう呆れたように言葉を漏らした。

だけど、今回ばかりは合っているようで…間違っている畑山はたやま先輩の言葉に私は慌てて否定したのだった。


「あ、いえ、なんかまだ佐々木君が自主練するみたいで…。律先輩が麻子あさこ先輩に片付け押し付けちゃったんです!すいません!」
「…その話だと…。悪いのは律だな…。だから沙結さゆちゃんが謝る必要ないよ!…ったく律のやつ…!」


畑山はたやま先輩はそう言葉にしてすぐ律先輩に対しても文句を呟き始めていた。


「…ところで沙結さゆちゃん…。律とは順調?」
「へっ?」


暫く律先輩の文句を言ってたはずの畑山はたやま先輩が急に話を振ってきてそれに驚いた私は頓狂とんきょうな返事をしてしまった。


「律のやつさ〜。俺が沙結さゆちゃんとのこと聞いても教えてくれないんだよな〜。あれだけ女に興味なかった律が唯一好きになった子が沙結さゆちゃんだから気になって気になって仕方ないわけ!…なのに律のやつ全然教えてくれないんだよ!…で、沙結さゆちゃん、どうなの?」


畑山はたやま先輩はそう一気に言葉をくし立てると再び私に顔を向けて聞いてきた。



──もちろん律先輩とのお付き合いは順調である。

律先輩は凄く優しいし私の話も文句1つ言わずに聞いてくれるし。

登下校もずっと一緒だし。


だけど、それを誰かに話すのは何だか物凄く恥ずかしかった。


沙結さゆちゃん?」
「え、えっと、あの…。」

私がどう言葉にすればいいのか悩んでいると…。
突然、部室の扉が勢い良く開いた。



[ 15 / 60 ]

*Index*