嵐の予感と想い ( 6/ 19 )
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私が部室に入るとそこに居たのは…。
「…あ!沙結ちゃん!」
畑山先輩だった。
「あ、お疲れ様です!」
「お疲れ様!…つか沙結ちゃんが部室に来たってことは…。麻子のやつ…。また自分1人で片付けするつもりなのか…。」
畑山先輩はそう呆れたように言葉を漏らした。
だけど、今回ばかりは合っているようで…間違っている畑山先輩の言葉に私は慌てて否定したのだった。
「あ、いえ、なんかまだ佐々木君が自主練するみたいで…。律先輩が麻子先輩に片付け押し付けちゃったんです!すいません!」
「…その話だと…。悪いのは律だな…。だから沙結ちゃんが謝る必要ないよ!…ったく律のやつ…!」
畑山先輩はそう言葉にしてすぐ律先輩に対しても文句を呟き始めていた。
「…ところで沙結ちゃん…。律とは順調?」
「へっ?」
暫く律先輩の文句を言ってたはずの畑山先輩が急に話を振ってきてそれに驚いた私は頓狂な返事をしてしまった。
「律のやつさ〜。俺が沙結ちゃんとのこと聞いても教えてくれないんだよな〜。あれだけ女に興味なかった律が唯一好きになった子が沙結ちゃんだから気になって気になって仕方ないわけ!…なのに律のやつ全然教えてくれないんだよ!…で、沙結ちゃん、どうなの?」
畑山先輩はそう一気に言葉を撒くし立てると再び私に顔を向けて聞いてきた。
──もちろん律先輩とのお付き合いは順調である。
律先輩は凄く優しいし私の話も文句1つ言わずに聞いてくれるし。
登下校もずっと一緒だし。
だけど、それを誰かに話すのは何だか物凄く恥ずかしかった。
「沙結ちゃん?」
「え、えっと、あの…。」
私がどう言葉にすればいいのか悩んでいると…。
突然、部室の扉が勢い良く開いた。
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