嵐の予感と想い ( 7/ 19 )


「おい、秋斗あきと沙結さゆを困らせてんじゃねぇよ。」


扉を開けたと同時にそう言葉を発したのは律先輩だった。

「…あれ?まさか聞こえてた?」


畑山はたやま先輩は律先輩の言葉にあまり驚いた様子もなくそう答えた。


「お前は声大きすぎなんだよ!外にまで漏れてたぞ!」
「え、そうなの?ごめんごめん!」
「…それはそうとお前早く出ろよ。沙結さゆが着替えれねぇだろ!」
「あ、そっか。…沙結さゆちゃんごめんねぇ〜。」


畑山はたやま先輩はそう軽く謝罪すると鞄を持って部室から出て行った。


「……沙結さゆ。」
「は、はい?!」


律先輩と畑山はたやま先輩のやり取りを黙って聞いていて…ボーッとしていた私は律先輩に突然名前を呼ばれ驚愕きょうがくして声が裏返ってしまった。


「俺、部室の前で待ってるからな。」


だけど、律先輩は私の裏返ってしまった声に気付いてるのかいないのかそう言葉をつむいだ。


「は、はい!わかりました!」


そして、私がそう慌てて返事をすると律先輩も部室から出て行った。



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