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「いいじゃん!そう言われたならそうしちゃえばいいんだよ!」
「え〜〜?!美紗までそんなこと言うの〜?!」
──翌日。
律先輩からの "難題" を美紗に伝えたら…。
それに同意されてしまった。
「だって…! 桜木先輩がいいって言うならそれでいいじゃん!…それに桜木先輩のことを名前で呼んでる女子なんて私が知る限りではいないよ。」
「え?そうなの?」
「うん、なんか…。桜木先輩が "彼女" 以外の人に名前で呼ばれるのを毛嫌いしてるんだって!」
「へぇ〜!そうなんだ…。」
そんな話は初めて聞くことだった。
だけど、今思い返してみれば…。
律先輩目当てで体育館に集まってくる女子生徒達って
──ということは…。
美紗の言う──律先輩が "彼女" 以外の人から名前で呼ばれるのを毛嫌いしてるって話は事実なのかもしれない。
「……律先輩のことを名前呼びでって…。彼女だけの "特権" ってやつだよね?」
「当たり前でしょ。…つか
「うん、そうだよね。私頑張る!」
「うん、何かあったらまた教えてよ。」
美紗のそんな言葉になんだか色々と救われたような気がした。