──お昼休み。
私はお弁当箱を鞄から取り出して席を立ち上がる。
「じゃあ美紗。律先輩の所行って来るね!」
「うん、行ってらっしゃい!」
美紗に見送られて私は律先輩の待つ屋上へ向かおうとした──けれど、ある人物から急に呼び掛けられてしまった。
「
「え、あ、佐々木君。な、何?」
急に佐々木君に呼び掛けられて
「…ちょっと話があるんだけど…。」
そう言われて私は早く律先輩の元へ向かいたい気持ちを抑えて頷いた。
◆◇◆◇
佐々木君に連れて来られた場所は中庭だった。
「……
「何?」
「…俺、
佐々木君が何かを言い掛けた直後、軽快なリズムと共に私の携帯が鳴った。
私は慌てて携帯をポケットから出して液晶画面を見ると─。
【着信:桜木 律】
律先輩からだった。
「…あ、律先輩から電話…。」
「…え、桜木先輩?なら、出なよ。」
「え、あ、うん。佐々木君ごめんね。」
佐々木君にそう告げてから私は通話ボタンを押して電話に出た。